免疫・代謝内科学分野では、海外での研究・臨床に関する留学を積極的に取り組んでいます。これまでに留学された多くの先輩方の中から、最新のレポートをご紹介していきます。
留学体験記
87期 河野通大
膠原病グループの河野通大と申します。私はこの度渥美達也教授、保田晋助准教授のご高配を賜り2017年7月から9月の3か月間、アメリカのボストンにあるHarvard Medical SchoolのBeth Israel Deaconess Medical Centerに留学させていただきました。
留学先の研究室は全身性エリテマトーデスの研究で世界的に有名なGeorge C. Tsokos教授の教室で、現在第二内科の吉田修也先生と兄である河野通仁先生が留学しています。兄とはこれまで一度も一緒に働いたことがなかったのですが、初めて一緒に勤務する場所がボストンになり大変感慨深いものがありました。研究室のメンバーはTsokos教授とスタッフが4名、ポスドクは15名前後いて、非常に活発なラボでした。仲が良く、明るい雰囲気で、研究においてもみんなで協力しあっているのが大変印象的でした。
私は今回、留学先との共同研究として北大で行っていたSLE患者T細胞のシグナル異常に関する研究に関連する実験手技習得の目的で留学いたしました。3か月という限られた時間ではありましたが、多くの先生方の優しいご指導のおかげで、自分の研究においていくつか大きな進展があり、また実験の組み立て方や考え方、これまでに見たことのなかった様々な実験手技を習得することができました。さらにトップジャーナルを目指し世界各地から集まってきたメンバーが日々切磋琢磨しながら実験を行う研究室で、多くの刺激を受けることができました。大学院生のうちにこのような経験をできたことは、今後の医師人生においても必ず生かしていかなければならないと貴重な機会であったと思っています。
ボストンは治安も良く、気候も過ごしやすく、芸術やスポーツなどのイベントも豊富で、プライベートでも大変楽しい3か月を過ごすことができました。大リーグのRed Sox戦では延長19回サヨナラ勝ち(試合終了時刻は日をまたいだ午前1時半でした)という日本では経験できない試合も生で観戦することができました。生活の中では日本と異なる点も多く戸惑いもありましたが、毎日が新鮮でアメリカ文化に触れながら、日本の良い点、悪い点にも改めて気がつくことができ素晴らしい経験になりました。
最後になりますが、今回このような機会を与えてくださった渥美教授・保田准教授を初め多くの方々にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。